祖父母の住んでいた庭付き一戸建てが空き家になってからもう10年の歳月が過ぎてしまいました。空き家になる前は祖父母が2人で住んでいたのですが、10年前に2人共亡くなってしまったのです。

近くに他の親戚は住んでおらず、しかもその家というのも築50年以上は経っている日本家屋で、内装も外壁もボロボロです。何年か事に直してはいたようですが何せ建物自体が古く、未だに五右衛門風呂にボットン便所なのです。しかもその家があるのが電車もバスもない、海と山とちょっとのスーパーしかないような小さい町なので、今更誰も住もうとも思いません。その為に空き家となってしまったのでした。

その家の管理は祖父母の長女である私の母がしていますが、何せ車で何時間もかかるような場所なので、1年に1度のお盆時期に法事のついでにしか行く事が出来ません。しかしその家は倒壊しそうで恐ろしいという事で、ちょっと掃除をして近くのホテルに泊まるのがやっとです。

空き家にしている事で、2年前に一度困った事が起きました。

その年も私達家族や親戚で法事の為に集まり、そして家の様子を見にいったのです。すると中から何やらドタバタと足音がして、獣の臭いがしてきました。

一体何なんだと父が中を覗いでみると、何とイノシシの親子がいたのです。慌てて親戚が警察を呼んだりして、やっとイノシシは捕獲されました。山が近い田舎なので知らぬ間に住み着いていたらしく、後からご近所さんに「そういえばここ半年で畑が荒らされるようになったからどうしたのかと思っていた」と話しを聞きました。

イノシシは結構大きかったので、知らずにご近所の子供さんが立ち入ったりでもすれば、怪我をしていたと思います。何もなくて良かったとホッとした反面、もし凶器を持った人間だったらますます恐ろしいと感じました。

現在は家の周りに有刺鉄線を張り巡らせて、ご近所さんにもイノシシが出たら気を付けるようにと言っています。対策は今の所この程度しか取れておらず、今後は家を取り壊そうかという話が出ています。

あの家をリフォームしても住むには周りの環境が不便ですし、土地を売るにしても誰も買い手がつかないと思います。取り急ぎ壊してしまって、もう動物も誰も住めないようにする事が一番かなと思っています。

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