私の友人(男性)は、もう10年近く空き家を所有しています。その空き家は彼の実家なのですが10年ほど前に家族が他界、以後彼は仕事の都合で別の場所に住むこととなりその結果空き家になりました。ただ、ライフラインを完全にストップさせているわけではなく、最低限家としての機能を維持するための管理を彼自身がしています。お墓参りや親せきが集まるとき、郵便物がたまっていそうなときなどはその空き家に帰って様子をみています。
そんな空き家の管理でネックになるのは、常時人が住んでいないにもかかわらず水道光熱費がかかってしまうということです。電気、ガス、水道などの水道光熱費は、ほとんど使わなくても基本料金がどうしてもかかってしまいます。それらの基本料金を住んでいないにもかかわらず払わなければいけないのですから、経済的負担は意外に大きいです。また、それに加えて固定資産税を納税しなければいけないのも痛手となっています。
さらに、その空き家がかなり老朽化してきているので、台風や大雪のときは少なからず倒壊や破損の危険性があります。かといって空き家を補修するだけのメリットはほとんどありませんので、何とか持ちこたえてくれるのを願っています。
空き家を誰かに貸したりして有効活用すれば良いのではないかと考えるかもしれませんが、彼の実家はかなりの過疎地にあるためそれも厳しい状況です。仮に観光の面で考えたとしても人が集まる地域からは外れているので、有効活用することは難しいです。
以上のようなネックがありながらも、彼は10年近く空き家の管理をしっかりと行っています。それはやはり思い出のある実家だからということもありますし、完全に手放してしまうと親戚との兼ね合いを始めとしたいろいろな不都合が出てくるからです。また、最低限住める状況にしておくことで、将来自分がまた実家に戻れるようにしているのかもしれません。空き家を管理するのは想像以上に大変なことですが、彼にはこれからも頑張ってもらいたいです。