両親が昔住んでいた家が空き家になっていました。両親は結婚して父の実家から歩いて10分ぐらいのところに家を建てていました。祖父が持っていた土地に、部屋が4部屋ぐらいしかない小さな家でしたが土地がひろかったので、庭に畑を作ったりしていたそうです。

兄が生まれて、私を授かった時に祖父が自分たちの家を建て直して私たち家族と一緒に暮らしたいと言いだしたそうです。父は長男だったので、それは自然ななりゆきだったようで父たちは引っ越すことになりました。両親と兄が住んでいた家は、はじめは物置と使っていたようですが、祖父が亡くなってからはメンテナンスをしなかったために、屋根はくずれ、壁は朽ちてしまってどんどんんと見る影をなくしていった家は物置とも使えなくなってしまって荒れ果てていきました。

そうなってからは誰もその空き家には近づかなくなりました。畑があった庭は、みるかげもなく草がぼうぼうに生えていました。そんな状態だったので、道を歩く人が草村の中に平気でペットボトルなどのごみを捨てていきました。空き家の両隣には家があったので、さすがに草が伸びすぎると両親のところに苦情を言いに来たようです。夏場は蚊が出るから特に困ったようです。

両親はその空き家にはいずれ兄が結婚をして家を建てればいいと思っていたようですが、仕事の関係で県外にでてしまって結婚後そちらで家をたててしまったため必要がなくなってしまいました。私はその前に結婚をしてほかの土地に家を建てていたのでやはり必要がありませんでした。

土地がいらなくなった両親は、その空き家の処理に困っていたようでした。田舎だったので、不動産で売っても二束三文の土地だったので売る気もしなかったようです。その状態が10年ぐらいたったころに、空き家の隣の家に長男が結婚をして戻ってくるので空き家が立っている土地を買いたいという申し出がありました。もちろん、両親は大喜びで売ることにしたようです。

買い手の条件は更地にしてほしいということだったので、今更地にしている状態です。私は住んだことがない家だから特に思い入れはないのですが、祖父がその空き家に物を取りに行くときによくついていったのでなんだか少し寂しい気がします。

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